子どもたちの健やかな成長を

子どもの心とからだの健やかな成長をめざして - 教職員・家庭・地域との連携強化を通して -

2009/08/22

第28回 愛教組女性部養護教員研究集会

 県内養護教員と単組(支部)女性部長の参加のもと、愛教組女性部養護教員研究集会を開催しました。基調提案・意見交換を行った後、諸富祥彦さんからご講演いただきました。

基調提案

 本年度から導入された「健康診断実施に係る妊娠養護教員負担軽減措置」について、本年度の行使状況や課題をふまえ、引き続き関係機関に働きかけていきます。また、養護教員が子どもたち一人ひとりにきめ細かな対応をしていくためには、複数配置の拡大と既配置校の継続保障は重要なことから、その実現にむけ、引き続きねばり強く取り組んでいきます。
 今後も、養護教員として力量向上をめざして学習を深め、子どもたちの心と体の健やかな成長のためにがんばりましょう。

意見発表

  • 本年度新しく負担軽減措置ができ、本当によかったと思いました。わたくしが、切迫流産になったとき、保健主事が中心になって歯科検診などを代行してくださいましたが、申し訳ない気持ちでした。ぜひ、多くの方にこの制度を有効に活用してほしいです。
  • 4月中旬につわりがひどく体調を崩していたところ、校長から「妊娠養護教員の負担軽減措置制度を申し込んでみてはどうか」と提案されました。母体への負担が減ることに安堵をおぼえました。その後の産休・育休中も同じ方が講師をやってくださることになり、自分や子どもたち、学校のためにもこの制度を利用してよかったと実感しています。
  • 1日30人以上の来室者に対応しながら保健室が機能しているのは、複数配置だからこそです。養護教員に対して、よりきめ細かな執務が要求されている昨今、さらなる複数配置の拡大と正規教員による配置継続が必要です。

講演の概要 「養護教員だからこそできるチームで育てる子どもの心」
講師 明治大学教授 諸富祥彦さん

1 連携強化の会話の仕方

 ポジティブな言葉がよい連携をつくっていきます。関係を広げていくには、自分が聞きたいことを聞いたり、言いたいことを言ったりするのではなくて、相手の人が話したそうなことを質問していくことが、大きなポイントです。

2 チームワークにおける問題

 実は、チームワークの問題には、自分がどういうタイプなのか、そして周りの先生がどういうタイプなのかという相性の問題が背景にあることが多いのです。
 スクールカウンセラーの立場から言えるのは、養護教員との連携が命ということです。例えば、リストカットをしているとか、摂食障害・拒食症・過食症など、深刻な問題をかかえていそうな子どもを、養護教員がカウンセリングルームに連れて来てくれることがあります。5分くらい一緒に話をした後「じゃあ、あとは諸富先生とよろしくね」と言って笑顔で帰っていく先生は非常に連携しやすいです。逆に、カウンセラーと子どもの取り合いをするような先生は、非常に連携しにくいです。

3 カウンセリングマインド

 カウンセリングマインドとは、そばにいるとほっとできる働きといえます。少し力が抜けている感じ、安心感です。でも、この安心感を邪魔するのが、養護教員の忙しさです。ある養護教員に聞いたら、この10年で格段に書類の量が増えたとおっしゃっていました。そうなると、子どもたちのケアがあまりできなくなります。子どもたちと接する時間がとれません。これも養護教員の大きな悩みの一つです。いつも「忙しいオーラ」が出ていると、子どもたちは話しかけて来られなくなってしまいます。
 子どもと接する上でも、他の教員と接する上でも、やはり笑顔が必要だと思います。笑顔で子どもたちを迎えて、「どうしたの?」というように話しかける養護教員であってほしいと思います。これを一番実感したのは、子どもの保育園の送り迎えをしているときです。「お父さん、最近どうですか?」と、とにかく笑顔で語りかけてくれる保育園の先生に、何か子どものことで聞きたくなったり、相談したくなったりします。そのような先生が、他の先生ともうまく連携がとれるのだと思います。
 疲れていて、笑顔や「さわやかオーラ」を出せない日もあると思います。そんなときは、とりあえず明るいイメージのキャラクターに「変身」するのもよいと思います。

4 教育相談週間の持ち方

 子どもたちが相談する先生を選べる教育相談週間を、ぜひやっていただきたいと思います。悩みができたときに、「この先生だったら相談できるな」という関係づくり、リレーションづくりをしておくための時間、それが教育相談週間のもっている意味です。よもやま話でよいので10分くらい話をします。そうすると、いざというときに、「この先生なら」ということで、子どもは悩みが話せます。
 アンケートに先生全員の名前を書いておいて、「話をしてみたいな」と思う先生の名前を3人くらい選んでもらいます。特にこれをやってほしいのが、小学校です。小学校でこそ、教育相談週間は必要だと思っています。

5 校内での教育相談会・生徒指導部会のもち方

 非生産的な話し合いは、原因ばかりぶつける話し合いです。
 「原因はそこにあると思うのですが、とりあえず○○君のために、わたくしたちができることって、何があるのでしょうか?」と一言つぶやくと、急に前向きな話し合いになることがあります。カウンセリング心理学でいうと、ソリューション・フォーカスト・アプローチに立つ発想です。原因探しをやめて、できることから処方していきましょう。

6 弱音を吐ける職場づくり

 指導が困難な学校の校内研修に行った際、本当に楽しそうな雰囲気でした。「本当に辛くて、何度も辞表を用意しているのですが、先生どうしの雰囲気がよいので、何とかわたくしはもっているのですよ」とある先生が言われました。お互い弱音を吐ける職員室をぜひつくって、支え合っていってほしいと思います。

参加者の声
  • 講演は、全員が参加できる構成で、実践的でよかったです。たくさんの笑いの中に、連携の具体的なポイントを学ぶことができました。
  • ユーモアの中に核心があり、わかりやすく素敵なお話でした。一言一言が心にしみました。
  • 久しぶりにリラックスでき、心が開放されました。今後も、前向きに人とかかわっていこうという元気と勇気をいただきました。

カテゴリー:女性部養護教員研究集会, 子どもたちの健やかな成長を    

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