子どもたちの健やかな成長を

21世紀をになう子どもたちのために-ともに育もう 豊かな心と 自分らしく生きる力を-

2016/10/03

第63回 愛知母と女性教師の会

 愛教組は、保護者と教員約250人の参加を得て、「愛知母と女性教師の会」を開催しました。全体会では、女性部提案及び講演を行い、それらを受けて分散会を行いました。子どもたちの健やかな成長を願い、保護者と教員が熱心に語り合いました。

内容

女性部提案:「男女が自立し、ともに生きる力をどう育てるか」
         -自分らしく生きることを考える実践を通して- 

 小学校の実践では、友だちとのかかわりの中で互いのよさを認め合う学習や、自分の得意なことを生かした係活動を通して、個々の違いにはそれぞれよさがあることに気付き、学級内において自己有用感を得ていく子どもたちの姿が報告されました。中学校の実践では、性の多様性やワーク・ライフ・バランスについて考える学習を通して、性別にとらわれずに仲間と協力したり、自分らしさを生かした職業につきたいと意欲的に将来について考えたりする子どもたちの姿が報告されました。

講演【演題】   「家族の絆 ~笑顔と感謝~」
   【講師】   松本隆博さん

 歌を通して、地域や人を元気にしたいと思っています。行きつくところは、子育てと教育。音楽を通して、聴いてくださる方が穏やかな気持ちになってくれたらうれしく思います。「アーティスト=表現者」です。絵や歌だけでなく、人生をかけて自分を表現する人すべてがアーティストです。教員も、母親も。そして、子育ても立派なアーティスト活動です。

親友

 赤ちゃんが寝るとき、自分の人差し指を赤ちゃんの手の平に置いたことはありませんか。赤ちゃんは、ものすごい力で握り返してくれます。長男が生まれたとき、僕は銀行員でした。銀行でまたヘマをして、家に帰って息子の顔をじっと見たとき、ふと自分の人差し指を息子の手の平に置いてみたんですね。息子は、ものすごい力で握ってくれました。この子のためにもがんばらなあかんなって、やっぱり思いました。生後3か月、当然まだしゃべらない。でも、聞こえてきましたよ。「親父、仕事ちゃんとせなあかんで。俺を一人前の大人にするまで、がんばらなあかんで」って。こんな小さな体のくせに大親友が放つメッセージに近かったです。だって、がんばろうと思ったんですもの。 

 親友―親しい友、いや、「(おや)の友」でよいのではないでしょうか。

講演をする松本隆博さん

講演をする松本隆博さん

♪ありがとう 
人差し指で握手する
あなたを 
宇宙一 思ってる
もうすぐ
手をつないで歩こう
大丈夫だから
あなたにも 
好きな人ができ
人生の喜びを
わたしと同じく
感じることでしょう
そして
また落ち着いたらね
悠々と手をつなごうね
約束よ・・・ね、親友

ありがとう 
人差し指で握手する
あなたと出会えた喜びに
笑顔も 寝顔 泣き顔も
大好き
最高のHUGしよう
少しの間コトバではなく
ココロで会話しよう
わたしも背伸びしない
あなたも
ヨチヨチ歩きのママだけど
あなたを精一杯
見守ってくよ・・・ね、親友

心から分かち合える
いつか出会う
心の友と書いて ”心友”
今ここに出会えた 
親の友と書いて
あなたとわたしは・・・親友

(作詞:松本 隆博)                                                                  

ココロのつぼ 

 人生の岐路に立たされたとき、気付いたんです。生きていくには、「笑顔」と「素直」と「感謝」、これを忘れるなと。僕の曲で「ココロのつぼ」という曲があります。みなさんも、僕も、心につぼをもっています。このつぼをいつも潤わせたいので水を入れる。例えば、おいしいものを食べたり、愛する人と過ごしたり、子どもに「お母さん、ありがとう」って言われたり・・・そういうのを潤いの水としましょう。いつもつぼが満タンであればよいのですけどね。しかし、穴が空いているのか・・・どこからかポタポタと水がもれるんですよ。抑えられへん。そこで感じました。そうや、水を上からもっと入れていくもんなんや。

♪あなたもココロのつぼを
もっている
壊れやすく 弱いから
笑顔や感謝
思いやりという水を
毎日 入れている

でも つぼには
小さな穴が 空いてて
ポタポタと染み出していて
だから 毎日 毎日
「ありがとう」を
つぎたしている

(作詞:松本 隆博)

感謝

 親父が大学に行かせてくれたことは、当たり前じゃなかった。お金もない、安月給で、お腹いっぱいご飯食べやぁと言ってくれたのは母だけ。残さずきれいに食べて、満面の笑みで喜んでくれるのも、この世で母だけ。当たり前じゃないことだらけでした。ありがたきこと。

 真心込めた気持ちは必ず子どもに伝わっていく。今すぐの「ありがとう」にはならず、時間軸の長いところにある「ありがとう」かもしれないが、その日を楽しみに子育てをしましょう。

 当たり前と思わずにいると、ありがたいことがいっぱいあります。それを噛みしめて。親の立場でもあり、子の立場でもあり、ひとさまの子を預かっている立場でもあり・・・三つ巴で、本当に大変だと思います。でもね、だからこそ、誰かのためにがんばってほしいなという思いがあります。今日は、僕も少しはみなさまのお役に立てたかなと思うとうれしく思っております。僕にとっての自己肯定感は「やったらできる」ということです。この自己肯定感によって、僕たちは大きくなりました。

 あなたもやればできる。

分散会:「ともに育もう 豊かな心と 自分らしく生きる力を」

 女性部提案や講演を受けて、「自分らしく生きるとはどういうことか」「子どものために、親として教師としてできることは何か」という観点でグループ討議を行いました。
 自分らしく生きることについては、「人とのかかわりの中で、自分を見つめる時間が必要ではないか」「小さいころからそれぞれの違いを認め合うことが大事ではないか」などの意見が出されました。そして、目の前の子どもたちにできることについては、「周りに感謝する心を育てたい」「話をしっかり聴いて共感していきたい」「親と教師がよい人間関係を築き、がんばっている姿を見せていきたい」など、親として、教師として、そして大人として、どうあるべきかを考える場となりました。

参加者の声

  •  男だから、女だからという考え方ではなく、「自分」を大切にし、自分の力を生かすということをみんなで意識していくことが大切だと思いました。
  •  今すぐに感謝されることや効果が表れることを求めるのではなく、長い時間をかけ、日々の積み重ねを大切にし、前向きに子どもとかかわっていきたいです。
  •  子どもたちが自分らしさに気付き、それを発揮するためには、自分のよさを周りの人に認めてもらい、自覚させることが大事だと改めて感じました。 

アピール採択

 最後にアピール採択委員により、集会アピールが読み上げられ、採択されました。この集会アピール文は、後日、県教育長にも提出しました。

集会アピール

 わたくしたち愛知の母親と女性教師は、「わが子・教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンのもと、子どもたちの健やかな成長を願い、「愛知母と女性教師の会」に集い、話し合いを深めてきました。

 しかし、平和にかかわる国の情勢は、スローガンに込められたわたくしたちの願いとは逆行し、危機的な状況にあります。わたくしたちは、改めて子どもたちと平和を守るという、母女の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。

 子どもたちは、無限の可能性を秘めており、その可能性を実現するために生まれてきました。わたくしたち親と教師の願いは、子どもたちが夢や希望をもち、笑顔あふれる毎日を送ることです。しかし、さまざまな課題を抱える現代社会において、自分のよさが見出せなかったり、よりよい人間関係を築けなかったりする子どもがいます。また、自分に自信がなく、将来の夢をもてない子どもも少なくありません。そして、それは子どもたちだけでなく、子育てや将来などに不安や悩みを抱える大人も同じです。

 子どもたちは、目の前の大人の姿を通して、将来を見つめています。21世紀をになう子どもたちのために、男女がともに、互いを尊重し、自分らしく輝ける社会の実現をめざして、今こそ、ここに集うすべての大人たちが手と手をとり合い、支え合っていこうではありませんか。

ともに語り合いましょう
       夢と希望あふれる 子どもたちのかけがえのない未来を

 ともに育んでいきましょう
       豊かな心と 自分らしく生きる力を

 そして、築いていきましょう
       互いを認め合い 高め合う 笑顔があふれる社会を  

 わたくしたちは、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、心ひとつに、明日へつなぐ確かな歩みを続けていくことをここに誓います。

      2016年10月1日
   第63回 愛知母と女性教師の会 

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