愛教組は、10月17日、第65次教育研究愛知県集会を、約2000人の教員や保護者、働く仲間の参加を得て開催しました。
全体集会の後には、「子どもたちの健やかな成長をめざして」をテーマに特別集会を行いました。特別集会では、早稲田大学文学学術院教授の喜多明人さんを講師としてお招きし、「子どもの目は輝いていますか -子どもにやさしいまちと学校づくりのこれから-」という題目で記念講演をいただき、参加者との意見交換を行いました。
また、27の分科会では、子どもたちを中心にすえた実践報告と活発な討論が行われました。
基調報告より
- 分科会(各科目についての報告は下の表からご覧下さい。)
基調報告より
現在、各学校では子どもたちの健やかな成長を願い、日々教育活動に取り組んでいます。
これまでの64次にわたる教育研究において、わたくしたちは夢と希望あふれる教育の創造をめざし、子どもたちを中心にすえ、それぞれの学校・地域の特色を生かした、自主的・主体的な教育研究活動を着実に積み重ねてきました。また、保護者への意識調査を実施し、今日的な教育課題を明らかにするとともに、各地域で教育対話集会などを行い、保護者や地域の方々と意見交換をする中で、子どもたちの「生きる力」を育む取り組みについての合意形成をはかってきました。
さて、現在、国が推しすすめるさまざまな教育改革の波は学校現場にも大きな影響を与えようとしています。とりわけ、次期学習指導要領改訂にむけて検討がすすめられている小学校5・6年生からの英語の教科化については、評価を伴うことなどからも、中学校英語の前倒しや知識の習得そのものが目的となることが危惧されます。また、年間授業時数を70時間とし、現在行われている教育課程に週一時間の英語を追加するなどの方向性も示されていることから、子どもたちへの負担増が懸念されます。今後、子どもたちに求められる力は、単に「英語力を身につける」ことだけではなく、自ら課題を見つけ、考え、判断し、行動することのできる「生きる力」であり、その育成が何よりも重要ではないでしょうか。そのためにも「生きる力」をゆとりとふれあいの中でじっくりと育んでいかなくてはならないと考えます。
わたくしたちは、あくまでも学習指導要領を大綱的基準としてとらえ、未来を担うすべての子どもたちのために夢と希望あふれる教育を創造する取り組みを継続し、学校現場からの教育改革を推進していかなければなりません。そのためにも、基礎・基本の確実な定着はもちろんのこと、子どもたち一人ひとりが学ぶ意欲をもち、自らすすんで取り組む質の高い学びを大切にするとともに、人・自然・文化などとかかわり合い、地域に根ざした体験活動を中心にした学習を構築し、学校・家庭・地域の連携をよりいっそう強化し、地域ぐるみの教育を推しすすめていかなければなりません。
今次の教育研究活動においても、ゆとりとふれあいの中で「わかる授業・楽しい学校」の実現をめざし、「学びの質を追究するとともに、子どもたち一人ひとりの意欲を大切にし、学ぶ喜び・わかる楽しさを保障する教育課程編成活動をすすめる」「学校・地域の特色を生かし、人・自然・文化などとのかかわりを大切にした創意あふれる教育課程編成活動をすすめる」の2点を研究推進の重点として提起しました。わたくしたちがすすめる教育改革は、日々の教育実践を積み重ね、その中で成長していく子どもたちの姿で示すべきものだと考えます。各分科会においては、実践研究の報告をもとにして、活発な議論を展開するとともに、その成果を各単組・各分会にもち帰り、還流をはかっていただくことを大いに期待します。
また、本日の特別集会では、子どもたちの現状や最近の教育をめぐる情勢をふまえ、「子どもの目は輝いていますか -子どもにやさしいまちと学校づくりのこれから-」と題して、記念講演を行います。子どもたちが自分らしくいきいきと地域社会の一員として生活していくことの必要性や、子どもたちを支える地域に開かれた学校づくりをすすめるために、学校・家庭・地域がいかに連携していくかについて、参加者のみなさまとともに考え、共通理解をはかる場にしたいと考えます。
最後になりましたが、この教育研究愛知県集会が愛知の教育のさらなる推進のため、そして何よりも目の前の子どもたちの健やかな成長のために、実り多いものとなることを祈念し、本集会開会にあたっての基調報告といたします。
分科会
国語教育(文学その他)
説明的文章3本と、文学的文章22本のリポートが報告された。目の前の子どもたちの実態を見つめた地道な実践が多く、どのように読む力をつけるべきかについて、報告されたリポートをもとに討論が展開された。
国語教育(作文その他)
作文(綴り方)の教育23本と、言語の教育5本、音声表現の教育16本のリポートが報告された。目の前の子どもたちの実態を見つめて、どのような子どもを育てるのか、文字言語・音声言語のよさを生かして、どのような力を育てていくのかについて討論が展開された。
外国語教育
「小学校外国語活動」「表現する力を育てる活動」「わかる・楽しい授業」の3つの討論の柱ごとに、小グループによるリポート発表と討論が行われた。その後、各グループで設定された「全体への問題提起」をもとに、全体で討論と意見共有が行われた。
3つの小グループでは、ポイントカードを利用して英語に慣れる活動を行う小学校の実践や、教科書の基本文にオリジナルの文章を加えてスキットを暗唱する実践などが紹介された。英語で表現したいという思いをもたせるための環境づくりの工夫や、練習の機会を確保するためのICT機器の有効な活用方法についての討論が展開された。
社会科教育(小学校)
身近な地域の産業や事象を教材化したり、学習活動を工夫して子どもたちの追究意欲を高めようとしたりした実践が報告された。また、社会に主体的にかかわっていこうとする主権者意識を高めることに取り組んだ実践も報告された。
討論では、根拠をもとにした対話能力を育成するための具体的な手だてや、社会のさまざまな問題を主体的にとらえる子どもの姿とはどのような姿なのかということについて、熱心に話し合われた。
社会科教育(中学校)
子どもたちが主体的に取り組む学習活動のあり方について、歴史上の出来事と現代社会とのつながりをとらえることで学ぶ意欲を高める実践や、世界のさまざまな地域の課題解決を考えることを通して社会参画の意欲を高める実践が報告された。また、身近な地域素材を教材化したり、言語活動を通して、社会に対する見方・考え方を深める実践が報告された。
討論では、子どもたちが主体的に学習に取り組むための教材化の工夫や、社会参画の意欲を高める学習活動のあり方、社会科で行われるべき言語活動について、熱心に話し合われた。
数学教育(算数)
「思考力・判断力・表現力の育成」「わかる・できる指導の工夫」「学び合う力の育成」の3つの柱立てで、実践の報告や討論が行われた。
子どもが意欲的に学ぶことができるよう問題提示や学習形態を工夫した実践、どの子どもも見通しがもてるようにワークシートを用いたり、○つけ法やヒントカードを取り入れたりした実践などが報告された。どの報告も目の前の子どもを中心にすえ、子どもの力をのばしたいというねらいを感じることができるものであった。
数学教育(数学)
「確かな学力の定着」「思考力・判断力・表現力の育成」「学習形態の工夫」「自ら学ぶ力・意欲の育成」の4つの柱立てで、実践の報告や討論が行われた。自ら学び、主体的に取り組む子どもの育成を主眼とした実践をはじめ、グループ学習やペア学習などの学習形態を工夫した実践、数学的活動を通して子どもの自主性を引き出した実践など、多岐にわたる実践が報告された。
理科教育(物理・化学)
「子どもの発達段階をふまえた教育課程編成のあり方」「自然概念形成に有効な教材・教具の開発、指導の工夫」「単元における『ものづくり』の扱い方」「基礎・基本の習得と評価のあり方」「子どもたちに理科の有用性を実感させる指導のあり方」の5つを柱立てに、27本(小学校11本、中学校16本)の実践にもとづき、参加者で活発な討議が行われた。
理科教育(生物・地学)
身近な自然に目を向けさせ教材化する実践、飼育・栽培活動を継続的に行う実践、モデルを取り入れることによって子どもたちに空間概念を養わせる実践、条件や視点を明確にし、共有することで考えを深める実践などが報告された。
討論では「子どもの発達段階をふまえた基礎・基本を重視するカリキュラムのあり方」「身近にあふれる素材の教材化」「子どもの視点に立った教材・教具の開発」「子どもたちに理科の有用性を実感させる指導のあり方」などについて活発な意見が出された。その中で、科学的な事象を理解するためには、科学的な用語の意味を理解することと、それらを使って表現する力を養うことが重要であることが確認された。また、他領域とのつながりを意識させて、総合的な見方を育てていくことが大切であることも確認された。
生活科教育
異学年交流や幼・保・小連携の活動を通して子どもたちの思いや願いを実現していく実践や、遊び活動やおもちゃの制作を通して気付きの質を高める実践、家族の中での自分の役割を考えよりよい生活をつくり出そうとする実践、探検活動を通して地域の自然や人々とのかかわりを深める実践、栽培活動を通して、対象への愛着や自分自身への気付きを深める実践などが報告された。
子どもたちがいきいきと活動する様子がよくわかる実践が多かった。また、対象と繰り返し対話をしながらかかわることで、対象や自分自身への気付きの質を高める実践も多く報告された。
生活科を通して子どもたちの自立の基礎が養われていく確かな実践がすすめられていることが感じられた。
美術教育
「美術教育を通して子どもたちに伝えたいこと」をテーマに実践報告や討論がすすめられた。
総括討論では、教員が感じていることや、子どもたちの実態をふまえ、図工・美術教育から何を学ばせるのかという論議を通して、本年度のテーマを深めることができた。
制作活動中に子どもが感じる不安や悩み、「うまくつくりたい、表現したい」という子どもの思いを受け止め、教員がどのように支援するべきなのかという点について話し合われた。また、子どもたちの将来を見据え、義務教育として小・中がどのように連携し、子どもの表現力を高めていくのか、美術教育では、将来にむけてどんな力を育んでいくのかという論議などを通して、わたくしたち美術教員が常日頃考えなければならない課題を再確認することができた。
音楽教育
「音楽表現を高めるためのコミュニケーションのあり方」「子どもの思いや意図を表現に生かすための指導の工夫」をテーマに討論をすすめた。音楽の学習を通して互いのよさを認め合う実践が多く報告され、義務教育九年間を見据えた音楽教育によって培われる「生きる力」について深く考えることができた。
午前中は、DVDによる実践報告を行った。どの報告も、めざす子ども像を明確にし、教員の工夫を凝らした手だてによって変容していく子どもたちの様子がよくわかるものであった。
技術教育
知識や技能を習得し、生活に生かす実践が多く報告された。材料と加工では、ブリッジコンテストを題材とした実践や、加工精度が求められる三枚組みつぎを使った製作活動に取り組んだ実践、地域性を生かし間伐材活用した実践、両刃のこぎりの構造に着目した実践が報告された。また、中学校三年間を通じ、切削原理を追究した実践、模型を使って構造を考えたり、練習材を使って加工技術を何度も体験させたりした実践、問題解決をする際に解決への見通しをもたせ、問題解決能力を育むことをめざした実践が報告された。エネルギー変換では、単元構成を工夫し基礎技能や知識の習得をはかった実践、風力発電装置のプロペラの製作を取りあげた実践、体験的な活動を軸とした授業構想を立てた実践が報告された。生物育成では、校舎の屋上を利用しピーマンの栽培に取り組んだ実践が報告された。情報と技術では、センサーカーを用いて計測・制御の学習に取り組んだ実践、汎用基盤を利用したプログラミング学習などに取り組んだ実践が報告された。技術教育全般では、学習規律の徹底とICT機器の有効活用を意識した実践、他教科との連携を取り入れた実践が報告された。
家庭科教育
多くの実践において、子どもの実態を教員が正しくとらえ、子どもたちの生活の中から課題を見つけるということから学びをはじめており、子どもたちが自立していくために必要な能力を育成しようと考えた実践ばかりであった。その中で、現代的課題を解決していこうとESDや防災の視点を取り入れた実践や、最適解にたどり着くためにコミュニケーション活動を取り入れた実践、衣分野において子どもの製作意欲を高めよりよい物をつくるための工夫を追究した実践、食分野において栄養教員と連携したり地域食材に目を向けたりした実践などが報告された。これらをもとに、活発な討論が行われた。
保健体育(体育)
「体育でどのような子どもを育てるか、自ら考え行動する子どもをどう育てるか」を大テーマに、次の点を研究主題として、発表・討論が行われた。
(1) かかわり合いを大切にした授業づくり
(2) 学年に応じた体力向上と技能習得
どのリポートにも、仲間とのかかわり方や学年に応じた体力向上と技能習得に関して、さまざまな工夫のある実践が報告された。
討論では、かかわり方を系統的に見て、それぞれの学年で習得していくべき内容について活発な意見交換がなされた。また、技能習得のためのよりよい指導法などについて、活発な意見が出された。
保健体育(保健)
「子どもが生活の主体となるための健康教育」をテーマに、さまざまな健康課題に対応するため、教材・教具を工夫した実践、子どもの主体的な活動を中心とした実践、話し合い活動を取り入れた実践などが報告された。報告を通して、健康に対する意識の高まりや健康課題の解決にむけての実践力が着実に育ってきている様子が感じられた。
自治的諸活動と生活指導(小学校)
「たくましく生きる子どもを育てよう」をテーマとして、活発に討論された。
子どもたちのよりよい人間関係を築くために、学級や学年、異学年交流を通して活動する実践が多く報告された。また、子どもたちが自分自身を見つめ、自ら課題を見つけて取り組むことで、達成感や成就感を味わい、豊かな人間性を身につけていく実践も報告された。さらに、学校と家庭、地域社会が連携して一人ひとりの子どもを支援していく実践なども報告された。
これらの実践報告をもとに、子どもたちの活動のあり方や意義、子どもたちの実態のとらえ方、それらをふまえた教員の支援のあり方について熱心な討論が展開された。
自治的諸活動と生活指導(中学校)
「たくましく生きる子どもを育てよう」をテーマに、活発に討論された。
人権について考える実践や、子どものやる気を引き出すために自己存在感を大切にしている実践、学校行事を生かしながら、個と集団の力を高める活動や生徒会活動、家庭・地域と連携した活動を通じて、子どもの成長をめざす実践が報告された。
これらの実践報告をもとに子どもたちの実態をふまえた支援のあり方について議論が深められた。
能力・発達・学習と評価
わかる喜びや主体的な学習態度を育むための手だてとして、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた実践や、タブレット型PCや電子黒板を効果的に活用した実践が報告された。
また、友だちの意見をよく聞いたり、自分の考えを表現したりできる子どもの育成をめざして、協働学習やグループ学習の場を設けた実践や、キャリア教育を充実させることで子どもの学習意欲を高める実践、地域学習で課題設定や振り返りに思考ツールを取り入れた実践が報告された。
特別支援教育
「豊かに生きるための力を育む」というテーマのもと、21本のリポートが報告された。
子どもの教育的ニーズを的確に把握し、学習意欲を高めるような教材・教具を工夫した実践や、子どもの現在や将来の生活に直接結びつく力を身につけさせるための実践、人とかかわる力やコミュニケーション能力を高めるための実践などが報告された。
進路指導
基礎的・汎用的能力の育成に重点を置いた、キャリア教育の実践が多数報告された。小学校では、キャリア能力を視点に掲げた防災教育の実践を学年に応じて継続していくことが、子どものキャリア発達に効果的であることが確認された。中学校では、修学旅行や職場体験学習の中で、基礎的・汎用的能力を高めていく手だてが多数報告された。事前・事後指導、系統立てたカリキュラムを作成することが、子どものキャリア発達に効果的であることが確認された。また、各教科・領域の中にキャリア教育の視点を取り入れた実践も報告され、キャリア教育の有効性や汎用性が確認された。
教育条件整備
「子どもの学習権の保障のために」を主題に、防災教育にかかわる条件整備や学校におけるユニバーサルデザインにかかわる教育環境整備、教育相談活動の充実にむけた教育条件整備についての実践が報告された。
地震に対する備えや対応マニュアルの問題点をアンケートによる調査からまとめた実践や、学校の施設・設備に関する実情をアンケートによる調査からまとめた実践が報告された。また、スクールカウンセラーの活用状況と課題についてまとめた実践も報告され、熱心な討論が行われた。
過密・過疎、へき地の教育
少人数だからこそできるきめ細かな支援を随所に取り入れた算数や理科の授業実践や、コミュニケーション能力を高めるための実践、地域素材や人材を積極的に活用した実践など、4本が報告された。
どの学校も、子どもの数の減少や固定化された人間関係のために、人とかかわる力が十分に育っていない傾向がみられるため、自分の考えをもち、伝え合うことで互いの学びを深めたり、人とかかわる力をのばすための工夫をしたりした実践が報告された。また、地域素材を生かして地域の方との交流を増やすことで、コミュニケーション力を高め、地域に愛着をもたせる実践も報告された。いずれの実践も、へき地校の抱える問題点を考慮しながら、小規模校の利点を生かしたり、地域素材や人材を活用したりした実践であった。
環境問題と教育
学校や地域の特色をふまえ身近な環境問題から学習課題を構築した実践や、「エネルギー資源」「米づくり」など環境問題に迫る教材・教具、地域の人材を積極的に活用した実践が、小学校から3本、中学校から1本報告された。
持続可能な社会の実現をめざす中で、子どもたちが環境問題に切実感を抱き、他人事ではなく自分事として学びをすすめ、学校・家庭・地域が連携して行動化を果たしていく積極的な子どもへの変容の様子が詳細に記録・分析された実践が多く発表された。
情報化社会の教育
子どもたちにとって身近な問題を扱ったデジタルコンテンツや動画を活用して、情報モラルについての意識や態度を育てる実践が報告された。また、情報収集や整理の方法を工夫したり、相手を意識した情報発信をしたりして、子どもたちが情報活用能力を身につける実践が報告された。
さらに、各教科の授業でICT機器やデジタルコンテンツを有効に活用することで、学習意欲の向上をはかりながら学習のねらいに迫る実践が報告された。
助言者からは、各実践において、情報モラルや情報活用能力の育成にあたって配慮すべき点や、ICT機器の活用のポイントについて、具体的な助言を得た。子どもを中心にすえた実践から学び、考えることができ、実り多い分科会となった。
読書・学校図書館
どのような手だてで、どのような子どもを育てたいのか、わかりやすくまとめられた実践が数多く報告された。また、物語だけでなく、絵カードや図鑑など、さまざまな図書資料を効果的に活用した実践も報告された。討論では、司書教諭や学校司書、ボランティアとの連携について話し合われた。図書館を効果的に活用するには、調整役が必要で、子どもとよい本をつなげていくことの重要性を再確認した。
また、国語力を向上させるための話し合いもなされた。表現力や読解力を高めるためには、本のあらすじを書く学習が効果的であることが報告された。また、特別支援学校との交流に本を活用した実践や子どもたちが自作の本を作成する実践なども紹介された。
総合学習
目の前の子どもの実態に合わせて教育課程を自主編成し、主体的な学びを通して、自己の生き方を見つめ直し、未来を切り拓いていこうとする子どもたちの育成をめざした実践が多く報告された。教科などの枠を越えた、横断的・総合的な学習をめざすためのカリキュラムの工夫や、子どもの意見や考えを促進するための学び合い活動、整理・分析するための手だてとしてのシンキングツールなどが紹介された。
段階的に総合学習が始まって15年、変化の激しい社会に対応して、自ら課題を見つけていく総合学習の本質を再確認する必要があることが確認された。