21世紀をになう子どもたちのために-心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を-
2021/10/10
第68回 愛知母と女性教職員の会
10月10日、新型コロナウイルス感染防止対策のため、WEBにて開催されました。全体会では、講演及び提案が行われ、それらを受けて分散会が行われました。保護者と教職員が、子どもたちの健やかな成長を願い、熱心に語り合いました。
講演 【演題】 「こうすれば、叱らなくても子どもは伸びる ~その具体的な方法とは?~」
【講師】 親野智可等(おやのちから)さん
講師に親野智可等(おやのちから)さんをお迎えし、子どもたちが自分らしく生きていくために、大人が子どもにどうかかわるかについて、ご講演いただきました。
「だらしがない、すぐにできないのは生まれつきなので、工夫して改善ができないのなら諦める(そのままを受け入れる)ことも大切」「今、完璧な子に育てる必要はない。『自己実現力』『自己肯定感』『良好な人間関係』を育成すれば、自分の力で豊かに生きていくための力になる」など、ご自身の豊かな経験を交えながらお話いただきました。また、「『あなたのため』とついつい口を出し、思い通りにならずイライラしてしまうと、大人も子どももストレスが溜まってしまいお互いが苦しくなる」「大人が子どもの『監督』になるのではなく、『応援団』になれば、失敗したり間違いがあったりしても受け止められる」と教えていただきました。参加者一人ひとりが、日々向き合っている子どものことを想いながら、子育てや家族とのかかわり方について考えるひとときとなりました。
女性部提案 「一人ひとりが自立し、ともに生きる力をどう育てるか
-自分らしく生きることを考える実践を通して-」
小学校2年生の実践では、普段何気なくもっているジェンダーバイアスについて、「男の子の色・女の子の色ってあるの?」など、低学年でも考えやすい疑問を投げかけ、子ども自身が自分を見つめ直し、「自分らしさ」について考える実践が報告されました。また、自分のよさについて、子どもどうしで話し合い、友だちから認められることで、自分のよさに少しずつ気付くことができた子どもの姿が報告されました。
分散会 「心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を」
「自分らしく生きるとはどういうことか」「子どものために、親として教職員としてできることは」という観点で、グループ討議が行われました。講演や提案の内容を受けて、「まずは大人が『女の子だから、男の子だから』などの思い込みをなくさなければいけない」「子どもを信じて、ありのままを受け止めることが大切」など、自分らしく生きることに対する意見が出されました。そして、目の前の子どもたちに対して、「否定的な言葉を使わず、子どもの気持ちに共感する姿勢を忘れないようにしたい」「大人である自分自身が夢をもって、自分らしく生きる姿を子どもに見せたい」「子どもができないことは、子どものせいではないので、手を貸しながら少しずつ成長する姿を見守りたい」など、親として、教職員として、どうあるべきかを考える場となりました。
参加者の声
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「子どもたちの監督ではなく応援団になろう」という言葉が印象的でした。応援しているアイドルや俳優なら、欠点もチャームポイントに見え、新たな挑戦は全力で応援したくなります。我が子や学級の子に対しても、そんなファンのような視点で、これから何をしてくれるのかワクワクしながら見つめていきたいと思いました。
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教師の立場からお聞きして、自身の行動や言動を振り返る時間となりました。指導を振り返り、子どもたちに自己肯定感をもたせられるような声かけをしていきたいです。
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生まれつきの資質であり、誰のせいでもないという言葉が印象に残っています。困り感のある保護者と接するとき、自分が子どもとの接し方で悩んだとき、この言葉を思い出したいと思います。
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自分のクラスにいる子を想定して、自分だったら何ができるかを考えました。子どもたちが性の枠にとらわれず、自分自身を肯定的にとらえ、自分で考えて選択できる力を身につけていくことが大切だと思いました。
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自分らしく生きることに自信をもてるように、その子、その人に共感し、否定表現を使わないようにしていきたいと思います。
アピール採択
最後にアピール採択委員により、集会アピールが読み上げられ、採択されました。この集会アピール文は、後日、県教育長にも提出しました。
集会アピール
子どもたちが夢や希望をもち、笑顔あふれる毎日を送るために、わたくしたち大人は何ができるのでしょうか。
わたくしたちは、「わが子・教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンのもと、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、「愛知母と女性教職員の会」に集い、話し合いを通して考えを深めてきました。
しかし、平和にかかわる国の情勢は、スローガンに込められた願いと逆行し、危機的な状況にあります。また、新型コロナウイルス感染症の流行も重なり、子どもたちの命と安全が脅かされています。このようなときだからこそ、わたくしたちは、改めて子どもたちの命と安全、そして平和を守るという、母女運動の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。
子どもたちは、一人ひとり無限の可能性を秘めており、その可能性を伸ばし、豊かな人生を歩もうと生まれてきました。しかし、さまざまな課題を抱える現代社会において、子どもたちをとりまく環境が大きく変化し、自分のよさが見出せなかったり、よりよい人間関係を築けなかったりする子どもがいます。また、自分に自信がなく、将来に夢や希望をもつことができない子どもも少なくありません。そして、それは子どもたちだけでなく、将来に不安や悩みを抱える大人も同じです。新型コロナウイルス感染症拡大による世の中の不安はいまだ拭えず、先の見通せない状況です。しかし、このような時だからこそ人と人のつながりを強め、互いを認めあえることが大切です。
子どもたちは、目の前の大人の姿を通して、将来を見つめています。21世紀をになう子どもたちのために、互いを尊重し合い、自分らしく輝くことのできる社会の実現をめざして、今こそ、ここに集うすべての大人たちが手と手を取り合い、支え合っていこうではありませんか。
ともに語り合いましょう
夢と希望あふれる 子どもたちのかけがえのない未来を
ともに育んでいきましょう
豊かな心と 自分らしく生きていく力を
そして、築いていきましょう
互いを 尊重し合う 笑顔あふれる社会を
わたくしたちは、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、すべての大人が子どもたちの心に寄り添い、ともに自分らしく輝くことのできる社会の実現に向けて、未来をつむぐ、確かな歩みを続けていくことをここに誓います。
2021年10月10日
第68回 愛知母と女性教職員の会
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