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第69次教育研究愛知県集会

2019/10/27

  10月26日、保護者と教員、働く仲間、約1600人の参加のもと、第69次教育研究愛知県集会が開催されました。
  全体会の後には、教育研究活動の目的や変遷、実践報告について概要説明が行われました。
  また、26の分科会では、子どもたちを中心にすえた実践報告と活発な討議が行われました。

 

 

基調報告より

分科会

1.語教育文学その他作文その他)
2.
外国語教育
3.
社会科教育小学校中学校
4.数学教育算数数学

5.理科教育物理・化学生物・地学
6.生活科教育

7.美術教
8.音楽教育
9.技術教育
10.家庭科教育
11.保健体育体育保健
12.自治的諸活動と生活指導小学校中学校
13.能力・発達・学習と評価
14.特別支援教育
15.進路指導
16.教育条件整備
17.過密・過疎、へき地の教育
18.情報化社会の教育
19.読書・学校図書館

20.合学習

 

基調報告より 

 これまでの68次にわたる教育研究において、わたくしたちは夢と希望あふれる教育の創造をめざし、子どもたちを中心にすえ、それぞれの学校・地域の特色を生かした、自主的・主体的な教育研究活動を着実に積み重ねてきました。また、保護者への意識調査を実施し、今日的な教育課題を明らかにするとともに、各地域で教育対話集会などを行い、保護者や地域の方々と意見交換をする中で、子どもたちの「生きる力」を育む取り組みについての合意形成をはかってきました。そして、各学校では子どもたちの健やかな成長を願い、日々教育活動に取り組んできました。 

 さて、現在、「教育再生実行会議」から出された過去の提言を受け、教育改革が推しすすめられています。学校現場では、「特別の教科 道徳」や「外国語教育」「プログラミング教育」などへの対応が、今まさにすすめられています。子どもの実態や学校現場の意見をふまえた十分な議論がされることのない、中央からの一方的かつ拙速な教育改革は、子どもたちや学校現場に大きな混乱をもたらしています。また、学習内容や授業時数の増加により、子どもたちのゆとりが奪われるばかりか、子どもたち一人ひとりと向き合う時間を確保することも難しくなり、ゆきとどいた教育が十分に行えなくなることが危惧されます。子どもたちに必要な力は、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、行動できる「生きる力」であり、それは、ゆとりとふれあいを保障する教育課程の中で育んでいくべきものであると考えます。 

 わたくしたちは、あくまでも学習指導要領を大綱的基準としてとらえ、未来を担うすべての子どもたちのために夢と希望あふれる教育を創造する取り組みを継続し、学校現場からの教育改革を推進していかなければなりません。そのためにも、基礎・基本の確実な定着はもちろんのこと、子どもたち一人ひとりが学ぶ意欲をもち、自らすすんで取り組む、より質の高い学びを大切にしていかなければなりません。また、人・自然・文化などとかかわり合い、地域に根ざした体験活動を中心にした学習を構築し、学校・家庭・地域の連携をよりいっそう強化し、協働して、地域ぐるみの教育を推しすすめていかなければなりません。 

 今次の教育研究活動においても、ゆとりとふれあいの中で「わかる授業・楽しい学校」の実現をめざし、「学びの質をより追究するとともに、子どもたち一人ひとりの意欲を大切にし、学ぶ喜び・わかる楽しさを保障する教育課程編成活動をすすめる」「学校・地域の特色を生かし、家庭や地域社会と協働をはかりながら、人・自然・文化などとのかかわりを大切にした創意あふれる教育課程編成活動をすすめる」の2点を研究推進の重点として提起しました。わたくしたちがすすめる教育改革は、日々の教育実践を積み重ね、その中で成長していく子どもたちの姿で示すべきであると考えます。各分科会においては、実践研究の報告をもとに、活発な議論を展開するとともに、その成果を各教組・分会に持ち帰り、還流をはかっていただくことを大いに期待します。 

 また、本日の全体会の後には、各分科会会場で行われている研究発表や討議の様子をみなさま方に参観していただきたいと思います。愛知県内の優れた教育研究にふれていただくことで、本日ご参集のみなさまとよりよい教育についてともに考え、共通理解をはかる場にしたいと考えています。 

 最後になりましたが、この教育研究愛知県集会が愛知の教育のさらなる推進のため、そして何よりも目の前の子どもたちの健やかな成長のために、実り多いものとなることを祈念し、本集会開会にあたっての基調報告といたします。

 

分科会    

国語教育(文学その他)

 説明的文章6本と、文学的文章16本のリポートが報告された。目の前の子どもたちの実態を見つめた価値ある実践が多く、どのように読む力をつけるべきかについて、報告されたリポートをもとに討論が展開された。 

国語教育(作文その他)

 作文(綴り方)の教育9本と、言語の教育3本、音声表現の教育10本のリポートが報告された。子どもたちの実態を見つめ、どのような子どもを育てるのか、文字言語・音声言語のよさを生かして、どのような力を育てていくのかについて討論が展開された。

外国語教育 

 「子どもの意欲を高める授業のあり方」「子どもの思考力・判断力・表現力を高める授業のあり方」「子どもの学びをつなげる授業のあり方」の3つを討論の柱に、小グループによる発表と討論が行われた。その後、各グループで設定された「全体討論への問題提起」をもとに、全体での討論と意見共有が行われた。
 3つの小グループでは、新学習指導要領の実施を見据えた中学校の実践や、Can-doリストを設定し、具体的な到達度目標を明らかにして生徒の力を育てる小学校の実践などが報告された。子どもたちがお互いにかかわり合いながら、主体的に学習活動に取り組むための手だてが数多く報告され、活発な討論が行われた。 

社会科教育(小学校)

 地域素材の教材化や、他者とかかわる学習を取り入れることによって、社会的事象を自分事として的確にとらえ、よりよい社会の実現に向けた社会参画力を育む実践が報告された。討論では、根拠をもとにした話し合い活動を通して育てたい力や、社会参画する力を育成するために必要な社会認識について熱心に話し合われた。

社会科教育(中学校)

 20本のリポートが報告され、質疑や討論が活発に展開された。
 地域ごとのよさや課題を生かし、子どもたちに自分事として考えさせる実践や、「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、思考ツールを活用しながら学びを深める実践などが多く報告された。 

数学教育(算数)

 「学び合う力の育成」「主体的な学び」「わかる・できる指導の工夫」「思考力・判断力・表現力の育成」の4つの柱立てで、実践の報告が行われた。
 学習形態を工夫し、子どもたちが学び合う姿をめざした実践、子どもたちが主体的にかかわるように教材を工夫した実践、わかる喜び・できる楽しさを実感させるための手だてを工夫した実践などが報告された。どの報告も子どもを中心にすえ、子どもの力をのばしたいというねらいを感じるものであった。

 数学教育(数学)

 「主体的・対話的な学び」「思考力・判断力・表現力の育成」「学び合う力の育成」の3つの柱立てで、実践の報告や討論が行われた。数学的活動を通して、子どもの自主性を引き出した実践をはじめ、自分の考えを深めることや、表現する力を高める子どもの育成をねらいとした実践、グループ学習やペア学習などの学習形態を工夫した実践など、多岐にわたる実践が報告された。 

理科教育(物理・化学)

 4つの内容領域の22本のリポートにもとづき、3観点のうち特に「自然の事物・現象を、量的・関係的な視点や質的・実体的な視点でとらえ、比較したり関係づけたりするなど科学的に探究する方法を用いて、多面的に考えさせる指導方法」と「子どもの理科的な資質・能力の把握や育成に役立てる評価の利用」に重点をおいた討論が展開され、活発な意見交換が行われた。

理科教育(生物・地学)

 遺伝子操作モデルを活用し、子どもの思考を深めた実践や、ワークシートを工夫し、子どもが主体的に実験に取り組めるようにした実践、実物を教材として取り入れ、自然を身近に感じさせる実践などが報告された。
 討論では、「身近な自然や生命の大切さを取り入れた単元構成の充実」や、「地学的な事物・現象を、時間的・空間的な視点でとらえ、多面的に考えさせる指導方法」の2つの観点を中心とし、活発な討論が展開された。 

生活科教育

 幼・保・小連携の充実をめざした実践、学校探検を通して、身近な人とのかかわりを深めた実践、栽培活動を通して、植物への思いや願いをもち、思考を深めた実践、町探検を通して地域の自然や人とのかかわりを深めた実践、身近な自然を生かした遊びやおもちゃづくりを通して、自然や人とのかかわりを深めたり、気付きの質を高めたりした実践、昔遊びを通して人とのかかわりを深めた実践など、地域の自然や身近な人々などを生かして、子どもたちが主体的に学習する実践が報告された。
 全体的な特徴として、積極的に対象とかかわり、子どもたちの思いや願いの実現をはかった実践や、仲間や身近な人々など他者とのかかわりを重視し、伝え合いや交流活動など対話的な活動を中心に位置づけた実践が多みられた。 

美術教育

 「美術教育を通して子どもたちに伝えたいこと」をテーマに実践報告や討論がすすめられた。
 総括討論では、目の前の子どもたちが抱えている悩みと、美術教育だからこそ育てることができる力について話し合うことで、本年度のテーマを深めることができた。制作の中でつまづきを感じている子どもたちの実態をよく観察して、問題解決に導く実践が報告された。また、新学習指導要領にもある「造形的な見方・考え方を働かせる」場面を題材の中でどのように位置づけるのか考えることができた。 

音楽教育

 仲間と主体的、対話的にかかわり合いながら表現の工夫をする実践が多く報告された。工夫を凝らした手だてによって変容していく子どもたちの様子がよくわかるものであった。子どもたちの実態をふまえ、めざす子ども像を明確にし、わかる楽しさ、できる喜びなどの経験を積み重ねていけるよう、さまざまな工夫をしていくことが大切であると確認された。
 討論では、「9年間の見通しをもった学習活動や指導の工夫」「他教科・領域、地域の特色と関連させた音楽教育のあり方」をテーマに話し合われた。各発達段階に応じた子どもたちに身につけさせたい力や、そのための手だてを工夫することの重要性が話し合われた。また、他教科と関連させた授業や、地域の祭りとタイアップした和太鼓や雅楽演奏を学ぶ授業などについて報告された。

技術教育

 子どもどうしの対話を生み出し、他者の考えから学び合う実践が多く報告された。材料と加工では、設計の見方・考え方を身につけるために、PDCAサイクルを繰り返した実践や、実際に販売されている製品から学ぶ実践が報告された。また、子どもどうしの対話の中から課題を解決しようとする実践が多く報告された。生物育成では、オリジナル堆肥づくりを通して課題を多面的にとらえる実践や、考えを広げていくワークシートを活用する実践が報告された。エネルギー変換では、基礎知識を活用する力を育成するために、歯車教材を用いた実践や多様な実物教材を用いた実践、ICT機器を活用した実践が報告された。情報では、ビジュアルプログラミング言語を用いた問題解決的な学習を繰り返した実践が報告された。 

家庭科教育

 「生活を追究する(住生活・消費生活)」「生活を追究する(食生活)」「現代的な生活課題に取り組む」「生活を追究する(衣生活)」「家庭や地域、人とのつながり」の5つの柱立てで、実践の報告が行われた。子どもの生活の中から課題を見つけ、学びを深めていく実践が多く報告された。
 総括討論では、「これからの家庭科教育~他教科・他領域とのかかわりから~」について討論が行われた。 

保健体育(体育)

 「体育でどのような子どもを育てるか、自ら考え行動する子どもをどう育てるか」を大テーマに、次の2点を研究主題として、発表・討論が行われた。
 (1)かかわり合いを大切にした授業づくり
 (2)学年に応じた体力向上と技能習得
 どのリポートも、仲間とのかかわり方や学年に応じた体力の向上や技能の習得に関して、さまざまな工夫のある実践が報告された。
 討論では、仲間とかかわり合うために有効な手だてや、子どもの発達段階に応じてどのような技能を習得させるべきかについて活発な意見交換がなされた。また、技能習得にむけた振り返りの大切さについて意見が出された。 

保健体育(保健)

 「子どもが生活の主体となるための保健教育」をテーマに、さまざまな健康課題に対応するため、教材・教具を工夫した実践、子どもの主体的な活動を中心とした実践、学校内・外との連携を深めた実践などが報告された。報告を通して、健康に対する意識の高まりや、健康課題の解決にむけた実践力が着実に育っている様子を感じることができた。 

自治的諸活動と生活指導(小学校)

 「たくましく生きる子どもを育てよう」をテーマとして、活発に討論された。
 子どもたちがよりよい人間関係を築くために、学級や学年、異学年交流を通して活動した実践が多く報告された。また、子どもたちが自分自身を見つめ、自ら課題を見つけて取り組むことで、達成感や満足感を味わい、豊かな人間性を身につけた実践も報告された。さらに、学校・家庭・地域が連携して一人ひとりの子どもを支援した実践なども報告された。
 これらの実践報告をもとに、子どもたちの活動のあり方や意義、子どもたちの実態のとらえ方、それらをふまえた教員の支援のあり方について熱心な討論が展開された。 

自治的諸活動と生活指導(中学校)

 「たくましく生きる子どもを育てよう」をテーマに、活発に討論された。
 子どものやる気を引き出すために自己存在感を大切にした実践や、学校行事を生かしながら個と集団の力を高める活動、家庭・地域と連携した活動を通して、子どもの成長をめざした実践が報告された。
 これらの実践報告をもとに、子どもたちの実態をふまえた支援のあり方について議論が深められた。  

能力・発達・学習と評価

 話し合いやかかわり合いの場において意欲的に授業に参加できる工夫を取り入れたり、視覚的支援を活用したりしながら思考の揺さぶりを通して深い学びにつなげていく実践や、道徳の授業で教材・教具を工夫したり、指名の仕方によってどのような効果があるのか検証をしたりした実践、発問を精選し、主発問のみに絞った実践などが報告された。
  また、主体的な学びを実現するためにICT機器を活用したプログラミング教育の実践や、導入段階に提示する資料を工夫し、子どもたちの関心を高める実践、積極的に人とかかわり、自分の思いを伝え合おうとするための手だてを工夫した外国語活動の実践などが報告された。さらに、小学2年生の算数科「長さ」の単元において、思考スキルを使って、生きて働く技能を身につける実践や、実際の社会問題について考えさせることで多面的・多角的に社会事象をとらえ、自分の考えをより深めていく実践が報告された。

特別支援教育

 「豊かに生きるための力を育む」というテーマのもと、16本のリポートが報告された。
 子どもの教育的ニーズを的確に把握し、学習意欲を高めるような学習活動や教材・教具の工夫をした実践、人とかかわる力やコミュニケーション能力を高めるための実践、子どもたち一人ひとりの発達の状況に応じた自立活動の工夫をした実践、キャリア教育と関連した実践などが報告された。

進路指導

 基礎的・汎用的能力の育成に重点をおいた進路指導の実践が報告された。
 総合的な学習、特別活動の実践、さらには宿泊行事を活用するなど、さまざまな教育活動を通した実践が報告された。また、職場体験学習や職業講話、保育所訪問や高齢者福祉施設のボランティア活動など、地域と連携した取り組みが報告された。

教育条件整備

 「子どもの学習権の保障のために」を主題に、ICT教育にかかわる教育条件整備についての実践が報告された。
 ICT教育を行う上で、どの地区でも共通して課題となるのは、ハード面とソフト面の整備である。ICT機器の必要性を訴え、環境を整えていくとともに、教員がICTの活用力を高めていかなくてはならない。
 それらをふまえ、ICT機器が教員の業務を効率化したり、子どもの学習意欲を高めたりする有用性や、実際にICTの活用をする上でのICT支援員の必要性などについて報告された。

過密・過疎、へき地の教育

 どの学校の報告も、身につけさせたい力を明確にしているという点、小規模校での実践である点、地域の特性をどのように生かしていくかという点が取り上げられていた。
 小規模校では、少人数のため個別支援がしやすいという利点がある一方で、多くの人とかかわる経験が乏しく、多様な考え方にふれる機会が少ない傾向にある。また、気心の知れた仲間と過ごす時間が長いため、大人数の集団での活動になったときに不慣れな部分がみられることもある。自分の考えを明確にもち、他者と伝え合う活動を通して、自分を表現する力を高める実践が報告された。また、地域素材や人材を生かすことで、ふるさとに愛着をもつ実践が報告された。

情報化社会の教育

 10本のリポートのうち、7本がプログラミング教育に関するものになっており、学年に応じた実践やアンプラグドの方法を用いた実践が紹介された。その他にも、ICT機器をどのように活用するかについての実践や今後の情報化社会を見据えた情報モラルについての実践、ネット上のコミュニケーションに注目した情報モラルの実践などが報告された。

読書・学校図書館

 子どもたちが自ら本を手に取ることや情報を本や新聞から得ること、また、得た情報を目的意識をもって相手に伝えることをめざした実践が報告された。
 学校司書との連携を取る、成果物の掲示をして環境を整える、子どもどうしのつながりの中から本のよさに気付かせるという手だてによる実践が多く報告された。
 討論では、図書資料を使用した他教科とのかかわりのもたせ方や学校司書との連携の仕方、新聞の活用方法、蔵書の種類についてなど、活発な意見交換がなされた。

総合学習

 身近な事象や今日的課題をテーマとして取り上げ、子どもの探究的・協働的に学ぶ姿を期待した実践が多く報告された。課題をより自分事としてとらえるための探究課題との出会わせ方や地域素材やゲストティーチャーの効果的な活用の仕方、課題をもち、探究し続けることができるカリキュラムの工夫が紹介された。

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21世紀をになう子どもたちのために-心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を-

2019/10/05

第66回 愛知母と女性教職員の会

 10月5日、保護者と教職員、約230人の参加のもと、愛知母と女性教職員の会が開催されました。全体会では、提案及び講演が行われ、それらを受けて分散会が行われました。子どもたちの健やかな成長を願い、保護者と教職員が熱心に語り合いました。

 

女性部提案:「男女が自立し、ともに生きる力をどう育てるか」
         -自分らしく生きることを考える実践を通して- 

 小学校4年生の実践報告では、一人ひとりの役割の大切さを考えたり、話し合いの素地を養ったりする活動を積み重ねることで、自分に与えられた役割を自覚して行動できるようになり、その達成感や有用感を味わう子どもの姿が報告されました。また、自分の長所について、子どもどうしで話し合う活動を通して、友だちから認められ、自分のよさに気付くことのできた子どもの姿が報告されました。

 

講演 【演題】   「感情的にならない子育て法」
    【講師】    東 ちひろさん 

東ちひろ トリ  

 講師として、一般社団法人子育て心理学協会代表理事の東ちひろさんをお迎えし、子どもたちが自分らしく生きていくために、大人が子どもとどのようにかかわるかについて、ご講演をいただきました。「人は心の中に貯金箱をもっていて、そこに『ココロ貯金』が貯まると情緒が安定し、表情が穏やかになり、笑顔が増える。そうすると、自己肯定感が高まり、やる気と自信を引き出すことができる。周りの人が『聴く』『ふれる』『認める』ことで、その子への愛情が伝わり、子どもの『ココロ貯金』が貯まる」と、ご自身の豊かな経験を交えながら伝えられました。また、子どもの成長につなげるためには、大人の話の聴き方として、うなずきやあいづちが大切であること、「わたしはこう思うよ」とI(アイ)メッセージで伝えるとよいことなどを話されました。そして、感情的にならないためにも、「時間・体力・気力の面で余裕をもつことが大事であり、大人も自分が人生を楽しむ時間を大切にして、『ココロ貯金』を貯めてほしい」というメッセージは、多くの参加者の心に響きました。参加者一人ひとりが、日々向き合っている家族や子どもたちを想いながら、子育てやこれからの生き方について考えるひとときとなりました。

 

分散会:「心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を」

 「自分らしく生きるとはどういうことか」「子どものために、親として教職員としてできることは」という観点で、グループ討議が行われました。自分らしく生きることに対しては、「まずは、自分自身を知ることが必要である」「ありのままの自分を受け止め、自分を好きになることが大切になる」「たくさんの経験をもとに自分で判断できる機会を増やす」などの意見が出されました。そして、目の前の子どもたちに対して、「一人ひとりの子どものありのままを受け止め寄り添う」「大人が余裕をもち、自分らしく生きているという姿を見せる」「大人が決めるのではなく、子ども自身が判断し選択できるようにする」など、親として、教職員として、どうあるべきかを考える場となりました。
 

 

参加者の声 

  •  子どもも大人も認められ、受け入れられる環境があってこそ、自分らしく生きていくことができるということを改めて感じた。

  •  自分自身が人生を楽しむ姿を見せることが、子どもたちが人生を楽しむことにつながると思った。自分のための時間も大事にしたい。

  •  子どもの思いに、耳も心も傾けながら、その子のよさを伝えていくことのできる教員になりたいと思った。

  •  自分の価値観を子どもにあてはめるのではなく、失敗も含めてさまざまな体験をさせ、自分で考え行動できる子どもを育てていきたい。

アピール採択

 最後にアピール採択委員により、集会アピールが読み上げられ、採択されました。この集会アピール文は、後日、県教育長にも提出しました。

集会アピール 

 子どもたちが夢や希望をもち、笑顔あふれる毎日を送るために、わたくしたち大人は何ができるのでしょうか。

 わたくしたちは、「わが子・教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンのもと、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、「愛知母と女性教職員の会」に集い、話し合いを通して考えを深めてきました。

 しかし、平和にかかわる国の情勢は、スローガンに込められた願いと逆行し、危機的な状況にあります。このようなときだからこそ、わたくしたちは、改めて子どもたちと平和を守るという、母女運動の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。

 子どもたちは、一人ひとり無限の可能性を秘めており、その可能性を伸ばし、豊かな人生を歩もうと生まれてきました。しかし、さまざまな課題を抱える現代社会において、子どもたちをとりまく環境が大きく変化し、自分のよさが見出せなかったり、よりよい人間関係を築けなかったりする子どもがいます。また、自分に自信がなく、将来に夢や希望をもつことができない子どもも少なくありません。そして、それは子どもたちだけでなく、将来に不安や悩みを抱える大人も同じです。

 子どもたちは、目の前の大人の姿を通して、将来を見つめています。21世紀をになう子どもたちのために、互いを尊重し合い、自分らしく輝くことのできる社会の実現をめざして、今こそ、ここに集うすべての大人たちが手と手を取り合い、支え合っていこうではありませんか。

           

ともに語り合いましょう

       夢と希望あふれる 子どもたちのかけがえのない未来を

 ともに育んでいきましょう

       豊かな心と 自分らしく生きていく力を

 そして、築いていきましょう

       互いを 尊重し合う 笑顔あふれる社会を

 

 わたくしたちは、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、すべての大人が子どもたちの心に寄り添い、ともに自分らしく輝くことのできる社会の実現にむけて、未来へつなぐ、確かな歩みを続けていくことをここに誓います。

 

    2019年10月5日

  第66回 愛知母と女性教職員の会

 

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子どもの心とからだの健やかな成長をめざして-子どもの発達の特性に応じた支援-

2019/08/24

第38回 愛教組連合養護教員研究集会

 県内各地の女性部長と養護教員約250人の参加のもと、愛教組連合養護教員研究集会が開催されました。「子どもの心とからだの健やかな成長をめざして―子どもの発達の特性に応じた支援―」をテーマに基調提案・意見交換・講演が行われ、学習を深めました。

基調提案「養護教員をとりまく情勢と課題について」

 子どもたち一人ひとりにきめ細かな対応をしたり、健康教育を充実させたりしていくために、養護教員の複数配置の拡大や妊娠した養護教員の負担軽減措置などの拡充が重要な課題である。 
 県内の養護教員が一堂に会するこの機会に、互いに情報を共有し合い、養護教員にかかわる制度の拡充にむけ、ねばり強く取り組んでいきたい。

 講演会
【演題】「子どもの発達の特性に応じた支援」
【講師】カウンセリングルームAcceptance心理カウンセラー・発達障害コンサルタント     
     白石 邦明さん   

白石・トリミング

質問するときは許可を得る

 発達の特性によっては、話しかけると驚いたり、人に触れられるのが苦手だったりする子どもがいる。そのため、本人の許可を得るということはとても大事なことである。この0.5秒の手間を惜しむかどうかで、その後の関係性が変わってくる。こんなことを言ったら相手を傷つけるのではないか、こんなこと聞いても大丈夫かと思うことは多い。しかし、何もしないと状況は改善しない。そのようなときは、「ちょっと質問したいのだけどいいかな?」「こんなこと聞くと驚くかもしれないけど、聞いてもいいかな?」と許可を得てから質問することをおすすめしたい。 

 

うなずくことのメリット

  話し手は、聞き手がうなずくことで目で見て確認できるため、話がしやすくなる。また、聞き手もうなずきながら話を聞くことで、学習効果が30%高くなるという。

 

あいさつのコツ

  
あ…「明るく」
 暗い声であいさつをすると、相手は、この人とは話したくないなという気持ちになる。あいさつは、明るい声でしよう。
い…「いつも」
 あいさつをすることが、「あなたがいることにいつも気がついています」というメッセージになる。会うたびに声をかけなくても、会釈やアイコンタクトでもよいので、メッセージを送ることが大切である。
さ…「先に」
 こちらから先にすすんであいさつをすると、印象がよく、好感をもたれる。
つ…「続けて一言」
 「おはようございます」の後に、「今日は明るい表情だね」と一言付け加えると、ほほえみかけてくれる子が多くなる。ただ、続けて一言付け加えることは、とても難しい。よく観察していないと言葉が思い浮かばない。「いつもと様子がちがうな」と感じる観察力が身につくため、実践してほしい。

 

承認で相手の心を開く

  
 発達の特性によっては、「前も言ったでしょ!」「こんなこともできないの?」と叱られて育っている子どもが多く、無意識のうちに耳と心を半分閉じてしまっていることがある。そのため、耳と心を開くところから始める必要がある。
 人は、肯定されたときに、はじめて、変化するためのゆとりができる。肯定されて嫌に感じる人はいない。褒めるのが苦手な人は3つのものが欠けている。それは、「ボキャブラリー」、「褒め反射神経」、「観察力」である。現在、多くの人が利用しているSNSでも「いいね」の種類が6つくらいある。会話の中でも、さまざまな「いいね」を使い分けられなくてはならない。そして、ボキャブラリー不足を補い、褒め反射神経を鍛えるためには、日ごろからできるだけたくさんの褒め言葉を考え、褒める機会をたくさんもつとよい。人は、褒められると気分がよくなる。それを、子どもたちや一緒に働く教職員、家族や周りの方にも体感させてほしい。 

  承認の効果

 ・相手に素直に話を聞いてもらうことができる      

 ・相手の本音を聞くことができる            

 ・相手のやる気や能力を引き出すことができる      

 ・会話の雰囲気が明るくなる

 ・人間関係のストレスが減る

 ・自分自身が前向きな気持ちになる

 ・好感度がアップする 

 

「咲かせたい花に水を与える」ように

 ピグマリオン効果といって、人は評価を受けたほうに変化しやすい傾向がある。例えば、「最後まで話を聞いてくれてありがとう」と言うと、相手は最後まで待ってくれるようになる。「素直な気持ち聞かせてもらえて嬉しい」と言うと、どんどん素直な一面を見せるようになる。「がんばり屋さんだね」「熱心だね」と言うと、相手はますますがんばるようになる。なかなかやる気になれない子も、10回に1回はやる気になる。そのときに、「一生懸命取り組むことができたね。がんばっている姿を見ると、先生も嬉しいよ」と伝えると、やる気の芽が伸びてくる。しかし、マイナスのピグマリオン効果もある。「我慢が足りない子だな」と言い続けると、自分は忍耐力がないと思って、なんでも三日坊主になる。「あれがダメ」「これがダメ」と言わずに、「ここが素敵だね」と伸ばしてほしい。子どもはできないことがあって当たり前。咲かせたい花に水を与えるように、できるようになってほしいことを伝え、褒めるようにしてほしい。
 人は、欠けたものに注目するという本能もある。自分に対しても、相手に対しても、できていないこと、足りないことを見つける能力が高い。できていない、欠けていると思ったら、他にできているところはないかと自分に問いかけるようにする。そこで、プラスリストをつくることをおすすめしたい。まずは、相手のいないところで、相手の最近伸びたところやよいところを書き出す。あまり書けないところは、観察ができていないところ。子どもへの対応がうまくいかないのは、指導力不足なのではなく、こちらが相手のことをよく知らないからかもしれない。正解は1つではない。社会に出たら、学校でははかることのできなかった価値感や能力をたくさん知ることになる。1つの正解を探すより、さまざまなアプローチを試してほしい。

 

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子どもたちのための教育改革を

2019/06/19

 愛教組は、これまでも子どもたちの健やかな成長をめざし、夢と希望あふれる教育の創造にむけて教育改革運動を推進してきました。学校現場では、人・自然・文化などとのかかわりを通して、さまざまな事柄に関心をもち、意欲的に課題解決しようとする子どもたちの姿がみられるなど、教育実践の確かな成果があげられています。また、教育研究愛知県集会や各地区における教育対話集会、教育実態総合調査などを展開し、教育課題の克服にむけた手だてなどについて保護者・県民との対話や共通理解につとめてきました。さらに、豊かな教育を創造する県民会議とも連携して、啓発活動を強化してきました。
 こうした取り組みの経過をふまえ、2019年度の教育改革運動については、これまで通り「子どもたちの健やかな成長をめざす取り組み」を中心にすえ、夢と希望あふれる教育の創造にむけて、保護者・県民・教育関係者とともに学校・家庭・地域との協働を見据え、それぞれの連携を引き続き強化し、地域ぐるみの教育改革をすすめていきます。
 そのために、以下の3点を教育改革運動の重点として掲げ、教育制度・教育内容の改革をはかる運動を強化していきます。

  
1.  「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
2.  ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
3.  子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 1.「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして-

2019/06/19

 「生きる力」とは、基礎・基本の習得はもちろんのこと、今までに得た知識や経験をもとに、自ら課題を見つけ、判断し、行動する力、学ぶ意欲も含めた総合的な力です。
 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育を行うためには、学校・家庭・地域が今まで以上に強く手を携え、地域ぐるみの教育をすすめていく必要があります。

学校教育に望むこと

2019家庭2                                                                                (2018年度 愛教組による保護者の意識調査より)

地域ぐるみで子どもたちを育てるために 

  • 保護者・地域住民・教員が集まって、子どもの教育について話し合う場を設置してほしい
  • 保護者や地域住民が講師や学校行事の補助などで参加しやすくなるような体制づくりをしてほしい
  • 地域のスポーツクラブや文化的なクラブを充実させてほしい

                                                                (2018年度 愛教組による保護者の意識調査より) 

 「学ぶ喜び・わかる楽しさ」を保障する教育をめざして

  • 子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちを中心にすえた職場ぐるみの教育実践に取り組んでいます
  • 地域の方とのふれあいを深める活動や子どもたちの体験活動の充実をはかっています
  • 保護者などの参加も得て、教育研究愛知県集会を開催し、より開かれた教育研究活動の推進につとめています

 

 

 

 

 

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 2.ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして -

2019/06/19

 愛知県では、国による小学校第1学年の35人学級のほか、小学校第2学年、中学校第1学年において35人学級が実施されています。
 しかし、いじめや不登校、特別な支援や日本語教育を必要とする子どもたちへの対応など、学校現場には教育課題が山積しています。そのため、これまで以上に子どもたち一人ひとりにきめ細かな教育を行うことが大切であり、少人数学級の拡充や正規教員による定数増が必要不可欠です。
 すべての子どもたちにゆきとどいた教育を行うため、教育条件整備をいっそうすすめていく必要があります。

教育条件整備

 

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 3.子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして-

2019/06/19

 進学を希望するすべての子どもたちの願いをかなえるためには、今後も入試制度の改善をしていく必要があります。
 また、子どもたちの多様な希望や個性に応じた、魅力ある高校教育の実現にむけた改革をすすめていく必要があります。

よりよい高校入試制度にむけて

2019より良い高校入試2

                                                                                           (2018年度 愛教組による保護者の意識調査より)

魅力ある高校教育の実現にむけて

高校教育                                             (2018年度 愛教組による保護者の意識調査より)

 

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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新学習指導要領と現場の課題  (東京学芸大学教授 大森 直樹さん)

2019/05/07

愛教組連合拡大学習会

 拡大学習会では、東京学芸大学特別支援教育・教育臨床サポートセンター教授の大森直樹さんにご講演をいただき、新学習指導要領の分析とそこから見えてくる課題への対応について学習を深めました。

講演をする大森直樹さん  トリ 

講師:東京学芸大学教授   大森 直樹さん

学習指導要領の分析

 新学習指導要領は、小学校では2020年から、中学校では2021年から全面実施される。新学習指導要領の全面実施における問題点として、学習量過多が強まっていることを指摘することができる。
 1977年告示の指導要領から1998年告示の指導要領までは、ゆとり教育をめざして授業時数の削減が行われてきた。しかし、内容の削減は不十分で、結果的に一時数あたりの学習量は過密になっていた。必要なのは授業時数の削減ではなく、内容の削減だった。だが、2008年の現行指導要領から授業時数と内容はともに増加に転じ、ゆとり教育の方向性そのものが否定されてしまう。
 新学習指導要領において学習量過多の傾向が強まっている要因の1つ目は、小学校の外国語科の新設である。2つ目は、内容の追加である。小学校のプログラミング学習。そのほか、小中学校の社会科において、北方領土・竹島・尖閣諸島の内容が追加拡充された。また、都道府県名の漢字を学ぶ必要があるとして、書き漢字が20字増加している。3つ目は、既存の内容の据え置きである。内容の増加に舵を切っていた2008年の指導要領から削減された内容は管見の限り1つもない。
 つまり、2008年の指導要領の問題点を改善することなく悪化させているのである。
 学習量過多には2つの問題がある。1つは、学習から落伍する子どもが出ること。2つは、落伍しない子どもも、ついていくことが精一杯となり、主体的に学習する機会が奪われることである。 

学校現場における課題への対応

  学校現場における課題への対応としては、新学習指導要領の矛盾を知ることである。新学習指導要領では、主体的な学習が奨励されている。しかし、かつてないほどの学習量過多の状態にあっては、主体的な学習を期待することは困難である。したがって学習量を増やした上で、主体的な学習を奨励するという根本的な矛盾を理解し、子どもたちや教員自身の能力不足として抱え込まないことが大切である。
 そして、これまでの教育実践リポートから学ぶことである。新学習指導要領では、3つの柱(知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間力)がうたわれている。目標と評価もこの3つの柱に従って設定されていく。しかし、学習内容は従来とほぼ変わっていない。そのため、これまでの教材研究を生かすことができる。 

まとめ

  学習指導要領はあくまでも、大綱的な基準である。学習指導要領は改訂されていくが、変わらないものが教材研究である。教員は教材研究を通じて、子どもたちとつながることができる。教材研究において大切なことは「子ども理解」と「教材(学問・芸術の成果)理解」を結びつけることである。抽象的な3つの柱に振り回される必要はない。
 学習量過多の中にあって、子どもも教員も大きな負担を抱えている。しかし、教育実践の歴史の中で蓄積された財産がある。それを生かすことが子どもたちのゆたかな学びにつながり、地域に根ざした創造的な教育課程編成にもつながるのではないだろうか。 

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スポーツ・文化的活動を通して地域で子どもを育てよう

2019/01/25

 スポーツ・文化的活動は、本来、生涯学習という観点から、地域を主体として行われることが望ましいと考えます。

 しかし、現状は主に部活動によって行われています。そのため、当面は部活動の諸問題解消をはかるため、外部指導者や部活動指導員の配置などを含めたスポーツ・文化的活動のあり方を検討していきます。また、総合型地域スポーツクラブをはじめとした社会教育活動の充実を求めていきます。

子どもたちの願い

外部指導者・部活動指導員について

 2016年度まで、文部科学省の委託事業として外部指導者の派遣を行っていた「運動部活動指導の工夫・改善支援事業」が廃止となりました。そのため、市町村の予算で外部指導者を派遣しているのが現状です。一方、2017年3月に「部活動指導員」が制度化されました。部活動指導員は、単独での指導や大会の引率等を行うことができ、子どもの技術向上も期待されています。愛教組は、外部指導者や部活動指導員の配置拡大について、必要な条件整備をすすめるよう求めていきます。

青年白書1                                                                                                                     (2018愛教組青年部実態調査より)

総合型地域スポーツクラブについて

  •  身近な施設を拠点に、地域住民が主体的に運営します。
  •  複数の種目があり、年齢、興味・関心、技術レベルに応じて参加できます。
  •  ボランティア指導者から専門の指導者まで、子どもから高齢者までのさまざまな世代の会員のニーズに対応します。
  •  活動を通して世代間交流や友だちのネットワークが広がり、地域の教育力向上につながります。

青年白書2                                                              (2018愛教組青年部実態調査より)

 

総合型地域スポーツクラブは、2018年12月現在、愛知県では、54市町村中52市町村で137のスポーツクラブが活動しています。

 

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