子どもたちの健やかな成長を

子どもの心とからだの健やかな成長をめざして-子どもの発達の特性に応じた支援-

2019/08/24

第38回 愛教組連合養護教員研究集会

 県内各地の女性部長と養護教員約250人の参加のもと、愛教組連合養護教員研究集会が開催されました。「子どもの心とからだの健やかな成長をめざして―子どもの発達の特性に応じた支援―」をテーマに基調提案・意見交換・講演が行われ、学習を深めました。

基調提案「養護教員をとりまく情勢と課題について」

 子どもたち一人ひとりにきめ細かな対応をしたり、健康教育を充実させたりしていくために、養護教員の複数配置の拡大や妊娠した養護教員の負担軽減措置などの拡充が重要な課題である。 
 県内の養護教員が一堂に会するこの機会に、互いに情報を共有し合い、養護教員にかかわる制度の拡充にむけ、ねばり強く取り組んでいきたい。

 講演会
【演題】「子どもの発達の特性に応じた支援」
【講師】カウンセリングルームAcceptance心理カウンセラー・発達障害コンサルタント     
     白石 邦明さん   

白石・トリミング

質問するときは許可を得る

 発達の特性によっては、話しかけると驚いたり、人に触れられるのが苦手だったりする子どもがいる。そのため、本人の許可を得るということはとても大事なことである。この0.5秒の手間を惜しむかどうかで、その後の関係性が変わってくる。こんなことを言ったら相手を傷つけるのではないか、こんなこと聞いても大丈夫かと思うことは多い。しかし、何もしないと状況は改善しない。そのようなときは、「ちょっと質問したいのだけどいいかな?」「こんなこと聞くと驚くかもしれないけど、聞いてもいいかな?」と許可を得てから質問することをおすすめしたい。 

 

うなずくことのメリット

  話し手は、聞き手がうなずくことで目で見て確認できるため、話がしやすくなる。また、聞き手もうなずきながら話を聞くことで、学習効果が30%高くなるという。

 

あいさつのコツ

  
あ…「明るく」
 暗い声であいさつをすると、相手は、この人とは話したくないなという気持ちになる。あいさつは、明るい声でしよう。
い…「いつも」
 あいさつをすることが、「あなたがいることにいつも気がついています」というメッセージになる。会うたびに声をかけなくても、会釈やアイコンタクトでもよいので、メッセージを送ることが大切である。
さ…「先に」
 こちらから先にすすんであいさつをすると、印象がよく、好感をもたれる。
つ…「続けて一言」
 「おはようございます」の後に、「今日は明るい表情だね」と一言付け加えると、ほほえみかけてくれる子が多くなる。ただ、続けて一言付け加えることは、とても難しい。よく観察していないと言葉が思い浮かばない。「いつもと様子がちがうな」と感じる観察力が身につくため、実践してほしい。

 

承認で相手の心を開く

  
 発達の特性によっては、「前も言ったでしょ!」「こんなこともできないの?」と叱られて育っている子どもが多く、無意識のうちに耳と心を半分閉じてしまっていることがある。そのため、耳と心を開くところから始める必要がある。
 人は、肯定されたときに、はじめて、変化するためのゆとりができる。肯定されて嫌に感じる人はいない。褒めるのが苦手な人は3つのものが欠けている。それは、「ボキャブラリー」、「褒め反射神経」、「観察力」である。現在、多くの人が利用しているSNSでも「いいね」の種類が6つくらいある。会話の中でも、さまざまな「いいね」を使い分けられなくてはならない。そして、ボキャブラリー不足を補い、褒め反射神経を鍛えるためには、日ごろからできるだけたくさんの褒め言葉を考え、褒める機会をたくさんもつとよい。人は、褒められると気分がよくなる。それを、子どもたちや一緒に働く教職員、家族や周りの方にも体感させてほしい。 

  承認の効果

 ・相手に素直に話を聞いてもらうことができる      

 ・相手の本音を聞くことができる            

 ・相手のやる気や能力を引き出すことができる      

 ・会話の雰囲気が明るくなる

 ・人間関係のストレスが減る

 ・自分自身が前向きな気持ちになる

 ・好感度がアップする 

 

「咲かせたい花に水を与える」ように

 ピグマリオン効果といって、人は評価を受けたほうに変化しやすい傾向がある。例えば、「最後まで話を聞いてくれてありがとう」と言うと、相手は最後まで待ってくれるようになる。「素直な気持ち聞かせてもらえて嬉しい」と言うと、どんどん素直な一面を見せるようになる。「がんばり屋さんだね」「熱心だね」と言うと、相手はますますがんばるようになる。なかなかやる気になれない子も、10回に1回はやる気になる。そのときに、「一生懸命取り組むことができたね。がんばっている姿を見ると、先生も嬉しいよ」と伝えると、やる気の芽が伸びてくる。しかし、マイナスのピグマリオン効果もある。「我慢が足りない子だな」と言い続けると、自分は忍耐力がないと思って、なんでも三日坊主になる。「あれがダメ」「これがダメ」と言わずに、「ここが素敵だね」と伸ばしてほしい。子どもはできないことがあって当たり前。咲かせたい花に水を与えるように、できるようになってほしいことを伝え、褒めるようにしてほしい。
 人は、欠けたものに注目するという本能もある。自分に対しても、相手に対しても、できていないこと、足りないことを見つける能力が高い。できていない、欠けていると思ったら、他にできているところはないかと自分に問いかけるようにする。そこで、プラスリストをつくることをおすすめしたい。まずは、相手のいないところで、相手の最近伸びたところやよいところを書き出す。あまり書けないところは、観察ができていないところ。子どもへの対応がうまくいかないのは、指導力不足なのではなく、こちらが相手のことをよく知らないからかもしれない。正解は1つではない。社会に出たら、学校でははかることのできなかった価値感や能力をたくさん知ることになる。1つの正解を探すより、さまざまなアプローチを試してほしい。

 

カテゴリー:子どもたちの健やかな成長を, 愛教組連合養護教員研究集会, 更新情報    

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