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21世紀をになう子どもたちのために-心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を-

2020/10/05

第67回 愛知母と女性教職員の会

 10月4日、新型コロナウイルス感染防止対策のもと、開催規模を縮小し、愛知母と女性教職員の会が開催されました。全体会では提案及び講演が行われ、それらを受けて分散会が行われました。子どもたちの健やかな成長を願い、保護者と教職員が熱心に語り合いました。

 

女性部提案:「男女が自立し、ともに生きる力をどう育てるか」
         -自分らしく生きることを考える実践を通して- 

 中学校3年生において、学級活動や道徳の授業などを通して、さまざまな視点から「自分らしい」生き方について考えた実践報告がされました。性別にとらわれない生き方や、自分の個性を大切にする生き方などを学ぶ中で、自分のよさに改めて気付くことができた生徒の姿や、周りの友だちからのアドバイスによって自分のよさを再発見できた生徒の姿が報告されました。

 

講演 【演題】   「夢を追い続けて…~諦めない!ポジティブに!いつも元気なその秘訣~」
    【講師】    内村 周子さん 

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  講師として、「スポーツクラブ内村」のコーチでありクラシックバレエ教師の内村周子さんをお迎えし、子どもたちが自分らしく生きていくために、大人が子どもとどのようにかかわるかについて、ご講演をいただきました。

 オリンピック金メダリストである内村航平選手の母親として、航平選手の幼い頃のエピソードやオリンピックで応援する母親の心境などを交えながらお話しいただきました。航平選手を出産されたときに「すべての幸せをもらった」と実感され、これまで子育てをする上でネガティブな声かけをしないことや、子どものよい面を受け止めることを大切にされてきたと教えていただきました。参加者一人ひとりが、日々向き合っている子どものことを想いながら、子育てや家族とのかかわり方について考えるひとときとなりました。

 

分散会:「心に寄り添い育もう 自分らしく生きていく力を」

 「自分らしく生きるとはどういうことか」「子どものために、親として、教職員としてできることは」という観点で、グループ討議が行われました。自分らしく生きることに対しては、「子どもたちは、周囲を気にし過ぎて自分らしさが出せていない」「子どもたちが夢やあこがれをもつことが大切である」などの意見が出されました。そして、目の前の子どもたちに対しては、「子どもたちが安心できる空間を大人がつくること」「大人も楽しむ姿を子どもたちに見せること」など、親として、教職員として、どうあるべきかを考える場となりました。
 

 

参加者の声 

  •  内村さんの講演から、幸せの形はその人によってさまざまであると改めて感じた。わが子との向き合い方について考えるよい機会になった。

  •  子どもたちが、枠や型にとらわれず、将来のことやよりよい生き方について考えることはとても大切な力だと思った。

  •  子どもたち一人ひとりの個性や考え方、好みなどを大切にし、すべてを認めてあげられるようにしたいと感じた。

  •  子どもたちは悩みや不安を抱えながら毎日がんばっている。親としてしっかりと話を聞いてあげられるようにしたい。

アピール採択

 最後にアピール採択委員により、集会アピールが読み上げられ、採択されました。この集会アピール文は、後日、県教育長にも提出しました。

集会アピール 

 子どもたちが夢や希望をもち、笑顔あふれる毎日を送るために、わたくしたち大人は何ができるのでしょうか。

 わたくしたちは、「わが子・教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンのもと、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、「愛知母と女性教職員の会」に集い、話し合いを通して考えを深めてきました。

 しかし、平和にかかわる国の情勢は、スローガンに込められた願いと逆行し、危機的な状況にあります。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、子どもたちの命と安全が脅かされています。このようなときだからこそ、わたくしたちは、改めて子どもたちの命と安全、そして平和を守るという、母女運動の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。

 子どもたちは、一人ひとり無限の可能性を秘めており、その可能性を伸ばし、豊かな人生を歩もうと生まれてきました。しかし、さまざまな課題を抱える現代社会において、子どもたちをとりまく環境が大きく変化し、自分のよさが見出せなかったり、よりよい人間関係を築けなかったりする子どもがいます。また、自分に自信がなく、将来に夢や希望をもつことができない子どもも少なくありません。そして、それは子どもたちだけでなく、将来に不安や悩みを抱える大人も同じです。

 子どもたちは、目の前の大人の姿を通して、将来を見つめています。21世紀をになう子どもたちのために、互いを尊重し合い、自分らしく輝くことのできる社会の実現をめざして、今こそ、ここに集うすべての大人たちが手と手を取り合い、支え合っていこうではありませんか。

           

ともに語り合いましょう

       夢と希望あふれる 子どもたちのかけがえのない未来を

 ともに育んでいきましょう

       豊かな心と 自分らしく生きていく力を

 そして、築いていきましょう

       互いを 尊重し合う 笑顔あふれる社会を

 

 わたくしたちは、子どもたちの幸せと健やかな成長を願い、すべての大人が子どもたちの心に寄り添い、ともに自分らしく輝くことのできる社会の実現に向けて、未来をつむぐ、確かな歩みを続けていくことをここに誓います。

 

    2020年10月4日

  第67回 愛知母と女性教職員の会

 

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子どもの心とからだの健やかな成長をめざして-ネット社会に生きる子どもたちへのよりよい支援のあり方-

2020/08/22

第39回 愛教組連合養護教員研究集会

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、愛教組連合養護教員研究集会が紙面開催となりました。「子どもの心とからだの健やかな成長をめざして~ネット社会に生きる子どもたちへのよりよい支援のあり方~」をテーマに基調提案等が行われました。

基調提案「養護教員をとりまく情勢と課題について」

 子どもたち一人ひとりにきめ細かな対応をしたり、健康教育を充実させたりしていくために、養護教員の複数配置の拡大や妊娠した養護教員の負担軽減措置などの拡充が重要な課題である。
 県内の養護教員が互いに情報を共有し合い、養護教員にかかわる制度の拡充にむけ、ねばり強く取り組んでいきたい。

 講演会
【演題】「ネット社会に生きる子どもたちへのよりよい支援のあり方」
【講師】久里浜医療センター精神科医長   松﨑 尊信さん

子どもたちをとりまくネット・スマホ・ゲームの現状

 あらゆるものがインターネットにつながる時代となり、買い物、SNS、ゲームなどにかかわって、さまざまなサービスが生まれている。スマートフォンやタブレットがあれば、いつでもどこでも利用することができる。ゲームについても、インターネットを介して対戦などを行うものが増えてきている。総務省の調査によると、世帯におけるスマートフォンの保有割合は、2010年に約10%だったが、2019年には約83%にまで上昇し、約10年で急速に普及している。内閣府の調査によると、10歳から17歳の子どもたちのインターネット利用率は93%だった。その多くはスマートフォンの利用である。利用目的は、動画視聴やSNS、ゲームが多く、一日の使用時間の平均は、小学生で68分、中学生で133分、高校生で199分となっている。年齢が上がるにつれて、使用時間が明確に増えている現状がある。 

 

ネット・スマホ・ゲーム依存

  人間には、理性と本能がある。脳の前頭前野は社会性や理性をつかさどり、大脳辺縁系は、欲望や感情をつかさどる。通常は、前頭前野が優勢に働き、健全な社会生活を送ることができる。しかし、子どもたちは脳が未発達のため、欲望をつかさどる大脳辺縁系が優勢に働いてしまう。子どもたちがネット・ゲームを過剰に使用してしまう要因の一つと言われている。
  「依存症」という言葉から、一般にアルコールや覚せい剤などを連想する人が多いかもしれない。これらは物質依存と言われている。対して、ギャンブルや買い物などの行動に関する依存があることが、最近の研究でわかってきた。この行動依存にネット・ゲーム依存も含まれると考えられる。物質依存で失う大きなものは健康である。一方、行動依存で失うものには、お金や信用、時間などがあげられる。
 子どもたちにとって友人関係や勉強のつまずきなど学校におけるさまざまな問題がストレスとなりうる。しかし、ネット・ゲームの世界では、ゲームが上手であれば周囲から承認、賞賛、尊敬され、自己肯定感が高められる。現実でのストレスが多い人は、ネット・ゲームの世界に陥り、依存症になりやすいかもしれない。依存症になると、深夜までゲームに没頭してしまい朝に起きられなくなったり、ゲームをする時間が惜しくなり食事すら取らなくなったり、引きこもりになったりもする。さらに、ゲームの課金による金銭の問題など、家族との間にトラブルが引き起こされることもある。

 

治療・予防と対策

 近年の調査によると、ネット依存の患者は、ADHDや社会不安障害、うつ病などの合併精神障害の有病率の高さも指摘されている。背景に精神疾患がある可能性もふまえ、治療には医療機関との連携や家庭のサポートが必要となってくる。現代社会において、ネットを完全に絶つことは非常に難しい。よって、ネット依存は、使用時間を減らすことが現実的な治療目標となる。治療には、動機づけが最も重要である。周囲から強制的にコントロールするのではなく、自分の意思で行動を変えていくように援助していくことが大切である。認知行動療法という治療では、一日の生活を客観的に振り返ることで、自分の行動、生活を改める動機づけにつなげている。
 ネット依存の予防には、達成感や充実感を得られる活動、ストレス対処スキルを身につけること、将来の目標をもつことなどが大切となってくる。保護者が子どもと一緒に体験活動を行うことも有効となる。ネット・ゲームよりも楽しい体験は、子どもたちが依存から脱却するきっかけになるだろう。また、スマホ等の使用ルールを家庭で設けること、ただし、ルールは子どもと一緒に考えた上で設定することが重要である。保護者が一方的に設定したルールでは意味をなさない。後から保護者が勝手にルールを変更することも好ましくない。
 今後は社会全体での包括的な対策が必要になってくる。一般の人には、実態把握、正しい知識の普及啓発、子どもたちと保護者には、地域・学校でのカウンセリングを通した予防教育が求められる。ネット・ゲーム依存の人に対しては、適切な医療サービスの提供、アクセス制限等のサービス提供側の倫理的配慮などが求められる。社会全体で、この問題に対して取り組んでいくことが不可欠である。

 

 

 

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子どもたちのための教育改革を

2020/06/10

 愛教組は、これまでも子どもたちの健やかな成長をめざし、夢と希望あふれる教育の創造にむけて教育改革運動を推進してきました。各学校では、人・自然・文化などとのかかわりを通して、さまざまな事柄に関心をもち、意欲的に課題解決しようとする子どもたちの姿がみられるなど、学校現場における教育実践の成果があげられています。また、教育研究愛知県集会や各地区における教育対話集会、教育実態総合調査などの取り組みを展開し、さまざまな教育課題やその解決にむけた手だてなどについて保護者・県民との対話や共通理解につとめてきました。また、豊かな教育を創造する県民会議とも連携して、啓発活動を強化してきました。
 こうした取り組みの経過をふまえ、2020年度の教育改革運動についても、これまで通り「子どもたちの健やかな成長をめざす取り組み」を中心にすえ、夢と希望あふれる教育の創造にむけて、保護者・県民・教育関係者とともに学校・家庭・地域との協働を見据え、それぞれの連携を引き続き強化し、地域ぐるみの教育改革をすすめていきます。
 そのために、以下の3点を教育改革運動の重点として掲げ、教育制度・教育内容の改革をはかる運動を強化していきます。

  
1.  「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
2.  ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
3.  子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 1.「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして-

2020/06/10

 「生きる力」とは、基礎・基本の習得はもちろんのこと、今までに得た知識や経験をもとに、自ら課題を見つけ、判断し、行動する力、学ぶ意欲も含めた総合的な力です。
 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育を行うためには、学校・家庭・地域が今まで以上に強く手を携え、地域ぐるみの教育をすすめていく必要があります。

学校教育に望むこと

                                                                                (2019年度 愛教組による保護者の意識調査より)

地域ぐるみで子どもたちを育てるために 

  • 保護者・地域住民・教員が集まって、子どもの教育について話し合う場を設置してほしい
  • 保護者や地域住民が講師や学校行事の補助などで参加しやすくなるような体制づくりをしてほしい
  • 地域のスポーツクラブや文化的なクラブを充実させてほしい

                                                                (2019年度 愛教組による保護者の意識調査より) 

 「学ぶ喜び・わかる楽しさ」を保障する教育をめざして

  • 子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちを中心にすえた職場ぐるみの教育実践に取り組んでいます
  • 地域の方とのふれあいを深める活動や子どもたちの体験活動の充実をはかっています

 

 

 

 

 

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 2.ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして -

2020/06/10

 愛知県では、国による小学校第1学年のほか、小学校第2学年、中学校第1学年において35人学級が実施されています。
 しかし、いじめや不登校、特別な支援や日本語教育を必要とする子どもたちへの対応など、学校現場には教育課題が山積しています。そのため、これまで以上に子どもたち一人ひとりにきめ細かな教育を行うことが大切であり、少人数学級の拡充や正規教員による定数増が必要不可欠です。
 すべての子どもたちにゆきとどいた教育を行うため、教育条件整備をいっそうすすめていく必要があります。

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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子どもたちのための教育改革を - 3.子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして-

2020/06/10

 進学を希望するすべての子どもたちの願いをかなえるためには、今後も入試制度の改善をしていく必要があります。また、子どもたちの多様な希望や個性に応じた魅力ある高校教育の実現にむけた改革をすすめていく必要があります。

よりよい高校入試制度にむけて

                                                                                           (2019年度 愛教組による保護者の意識調査より)

魅力ある高校教育の実現にむけて

高校教育                                             (2019年度 愛教組による保護者の意識調査より)

 

 

 

  1. 「生きる力」を育むゆとりとふれあいのある教育の実現をめざして
  2. ゆきとどいた教育の実現にむけた学校・地域の教育条件整備をめざして
  3. 子どもたちの希望を大切にし、学ぶ機会を保障する高校入試・高校教育改革をめざして

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第70次教育研究愛知県集会中止のお知らせ

2020/05/15

 新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業が延長され、学校再開の見通しが立たなかった状況、組合員の声やさまざまな立場の方からいただいたご意見をふまえ、本年度の教育研究愛知県集会の開催は困難であると判断し、「中止」とさせていただきます。

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スポーツ・文化的活動を通して地域で子どもを育てよう

2020/01/30

 スポーツ・文化的活動は、本来、生涯学習という観点から、地域を主体として行われることが望ましいと考えます。

 しかし、現状は主に部活動によって行われています。そのため、当面は部活動の諸問題解消をはかるため、外部指導者や部活動指導員の配置などを含めたスポーツ・文化的活動のあり方を検討していきます。また、総合型地域スポーツクラブをはじめとした社会教育活動の充実を求めていきます。

子どもたちの願い

外部指導者・部活動指導員について

 2016年度まで、文部科学省の委託事業として外部指導者の派遣を行っていた「運動部活動指導の工夫・改善支援事業」が廃止となりました。そのため、市町村の予算で外部指導者を派遣しているのが現状です。一方、2017年3月に「部活動指導員」が制度化されました。部活動指導員は、単独での指導や大会の引率等を行うことができ、子どもの技術向上も期待されています。愛教組は、外部指導者や部活動指導員の配置拡大について、必要な条件整備をすすめるよう求めていきます。

                                                               外部指導者・                                                                        (2019愛教組青年部実態調査より)

総合型地域スポーツクラブについて

  •  身近な施設を拠点に、地域住民が主体的に運営します。
  •  複数の種目があり、年齢、興味・関心、技術レベルに応じて参加できます。
  •  ボランティア指導者から専門の指導者まで、子どもから高齢者までのさまざまな世代の会員のニーズに対応します。
  •  活動を通して世代間交流や友だちのネットワークが広がり、地域の教育力向上につながります。

社会教育                                                    (2019愛教組青年部実態調査より)

 

総合型地域スポーツクラブは、2020年1月現在、愛知県では、54市町村中51市町村で137のスポーツクラブが活動しています。

 

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